研究所の業務の一部をご紹介します。各年度の活動を網羅的に記載する『年報』や、研究所の組織や年次計画にもとづいた研究活動を視覚的にわかりやすくお知らせする『概要』、そしてさまざまな研究活動と関連するニュースの中から、速報性と公共性の高い情報を記事にしてお知らせする『東文研ニュース』と合わせてご覧いだければ幸いです。なおタイトルの下線は、それぞれの部のイメージカラーを表しています。

東京文化財研究所 保存科学研究センター
文化財情報資料部 文化遺産国際協力センター
無形文化遺産部


タジキスタン共和国遺跡出土壁画断片の調査

ペンジケント遺跡出土壁画の写真撮影風景
フルブック遺跡出土壁画断片の整理作業風景

 3月3日から3月8日までタジキスタン国立博物館、フルブック博物館、及び国立古代博物館において、遺跡出土壁画断片の調査・整理・撮影を実施しました。
 タジキスタン国立博物館には、ソグディアナの都城址ペンジケント遺跡から出土した壁画4点(7~8世紀製作)が所蔵・展示されています。類例が限られている貴重な学術資料であるこれら壁画の美術史的価値と保存状態を詳細に理解する目的で、描画技法・修復状態の調査、そして、細部に亘る写真撮影を実施しました。
 また、フルブック博物館においては、1980年代前半の発掘以降、ほぼ未整理のまま保管されていたフルブック遺跡出土の壁画断片(10~11世紀頃製作)の整理・写真撮影を実施しました。壁画断片は1つの木箱の中に積み重ねて収蔵されていたため、まずは一層ずつプラスティック・コンテナに移し換え、それぞれに整理番号を付して記録していきました。そして、コンテナ毎に写真撮影を行うと同時に、各断片の保存状態を記録し、保存修復作業に活用できる基礎的な情報を得ることができました。
 さらに、タジキスタン国立古代博物館に収蔵・展示されているカライ・カフカハI遺跡出土の壁画断片(8世紀頃製作)の現状を記録すべく、肉眼で詳細に観察しました。
 今回の調査成果は、今後タジキスタン共和国において関連する壁画断片の保存修復作業が実施される際に有効に活用されることが期待されます。

to page top