『かりやど民俗誌』の福島県浪江町苅宿地区への贈呈

『かりやど民俗誌』
祈念碑除幕式での民俗誌完成披露スピーチ

 福島県浪江町苅宿地区では、「鹿舞」や「神楽」などの無形文化遺産が伝承されてきました。しかし2011年の東日本大震災に伴う原子力発電所事故により住民全員が避難。民俗芸能も継承の危機に至りました。そこで無形文化遺産部では、鹿舞・神楽を中心に、それを支える地区の歴史や暮らしについて、民俗誌という形で残すべく調査を重ね、平成30年(2018)3月に『かりやど民俗誌』として刊行しました。
 苅宿地区は2017年4月より帰還が可能になりましたが、1年経った現在でも帰還したのは数世帯という現状です。そのような中で地区の復興を祈念して「大震災苅宿地区復興祈念碑」が建立されることとなりました。4月21日にその除幕式があり、無形文化遺産部より久保田裕道が臨席しました。式典中、民俗誌の完成披露も行われました。民俗誌は、苅宿地区の全戸に配布できるよう贈呈しました。この民俗誌が地区の無形文化遺産の継承に少しでも役立つことを、また地区の復興が進むことを願っています。

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