ライプツィヒ民族学博物館(ドイツ)での日本絵画作品調査

ライプツィヒ民族学博物館での調査風景

 日本の古美術品は欧米を中心に海外でも数多く所有されていますが、これらの保存修復の専門家は海外には少なく、適切な処置が行えないため公開に支障を来している作品も多くあります。そこで当研究所では作品の適切な保存・活用を目的として、在外日本古美術品保存修復協力事業を行っています。2017年2月28日から3日の日程で、文化遺産国際協力センターの加藤雅人、江村知子、元喜載の3名がライプツィヒ民族学博物館を訪問し、日本絵画作品9件11点の調査を行いました。
 同館にはヨーロッパ以外の世界中の美術工芸品、民俗資料葯20万点が所蔵されており、その中には日本の絵画作品も含まれていました。明治のお雇い外国人として来日していた医師・ショイベの旧蔵品や、1878年の第3回パリ万博に日本から出陳されたという履歴のある絵画作品など、歴史的価値の高い日本絵画作品と言えます。同館の日本絵画作品はその存在があまり知られていませんでしたが、美術史観点から重要な作品も含まれていました。今回の調査で得られた情報を同館の担当者に提供して、作品の保存管理に活用して頂く予定です。そしてこの調査結果をもとに作品の美術史的評価や修復の緊急性などを考慮し、修復の候補作品を選定、協議し、事業を進めていきます。

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