バガン(ミャンマー)における煉瓦造寺院外壁の保存修復

震災により崩壊した外壁の修復処置
ミャンマー宗教文化省 考古国立博物館局バガン支局での会議の様子

 平成29年(2017)7月6日~31日までの期間、ミャンマーのバガン遺跡群内Me-taw-ya寺院(No.1205)において、壁画保護のための雨漏り対策を主な目的とする煉瓦造寺院外壁の保存修復を行いました。昨年度より継続して行ってきた、寺院を構成する各種材料に関する科学分析や物理試験の結果をもとに、課題となっていた現行の修復材料や施工方法を見直しました。そして、昨年に発生した地震による被害が最も大きかった箇所の修復処置を、新旧材料の適合性に配慮しながら無事に終えることができました。
 また、ミャンマー宗教・文化省からの参加要請を受け、7月27日に開かれた「第10回 バガン遺跡の地震被害に関する専門家会議」の場において、これまで行ってきた一連の活動内容について発表を行いました。その結果、緊急性を要する今日のバガン遺跡復興に向けた取り組みに役立つ内容であるとの高い評価をいただき、今後協力関係をより一層深めてもらいたいとの要望を受けました。
 こうした現地の期待に答えるためにも、今後も一貫性を持った保存修復活動を続けていくとともに、現地専門家と意見交換を重ねながらバガン遺跡群に適した保存修復方針を組み立てていく予定です。

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