琉球絵画の光学調査

沖縄県立博物館・美術館での琉球絵画の光学調査の様子

 平成29(2017)年6月20日~23日に、沖縄県立博物館・美術館において琉球絵画の光学調査を実施致しました。調査内容は、高精細カラー画像撮影による描写方法の調査と、蛍光X線分析による彩色材料の調査です。東京文化財研究所では平成20(2008)年度以降、沖縄県内外に所在する琉球絵画の光学調査を継続的に実施し、平成29(2017)年3月には『琉球絵画 光学調査報告書』を刊行しています。今回の調査は、沖縄県立博物館・美術館および沖縄美ら島財団が所有する絵画作品10点と、沖縄県立図書館が所有する重要文化財「琉球国之図」を対象としました。
 琉球絵画の多くは第二次世界大戦の戦禍により消失してしまい、十分な研究が行われることなく現在に至っています。今後も沖縄県内外に所在する琉球絵画の光学調査を継続的に実施し、その調査結果を公開していく予定です。これらの調査によって、琉球絵画への理解が深まることが期待されます。

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