津波被災紙資料から発生する臭気の発生原因調査

設置した機器類の様子

 岩手県立博物館と共同で、陸前高田市で津波被災した紙資料の安定化処置方法の検証を進めています。岩手県では2011年の津波で多数の資料が被災し、すでに約9万点の紙資料の安定化処置を進めてきましたが、いまだ終了時期が見通せない状況にあります。昨年度までの共同研究で発生原因がほぼ推定できたことから今年度は、すでに安定化処置した試料からの臭気の除去方法の確立、また臭気がどのような条件で発生するのか安定化処置を記録し改善を検討する計画に取り組んでいます。5月17日に岩手県立博物館を訪問し、共同研究者の赤沼英男氏とともに、今年度計画の打ち合わせや水温や酸素濃度を監視する機器のテスト設置、修復施設内の温湿度や施設内の温度伝達を明らかにするための表面温度測定機器の設置を、岩手県立博物館に隣接している陸前高田市博物館被災文化財等保存修復施設で行いました。6月、7月には、各1週間程度の共同調査を行います。

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