インドネシア・プランバナン遺跡復興専門家会合

プランバナン寺院ガルーダ祠堂

 2006年5月27日に発生したジャワ島中部地震により被災した世界遺産プランバナン遺跡群については、昨年度に派遣した調査団により被害状況、修理履歴、地盤、構造体の振動特性などの基礎的調査を行っています。2007年6月29日、30日の2日間にわたり現地で開催された専門家会合では、インドネシア側が行った地盤や構造体の調査も含めてこれまでに実施した調査結果についての総合的な検討を行いました。これに基づいて一部解体を含む修理の方針や手順などについて基本的な方向付けが出来ました。また、具体的に修理設計を進めていくためにさらに必要な調査事項について協議しました。
 日本からの技術協力の内容としては、遺跡群の中枢をなし早期公開が望まれているプランバナン寺院について、本年度中に修理設計を取りまとめるために必要な支援を行うことです。具体的には、地震計を設置して構造体の振動特性をさらに明らかにした上で必要な構造補強方法を提示すること、オルソ画像を作成した上で、これに各石材の破損状態、補修方法と解体範囲を図示し、修理事業費の積算が可能な水準での設計資料を整えることです。このため、9月以降に再度の現地調査を予定しています。

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