「聚光院問題」の検討

 企画情報部では毎月、研究会を開催しています。2月は27日(水)、コメンテーターに渡邊雄二氏(福岡市美術館)を迎え、綿田が「聚光院問題を考える」の題目で研究発表を行いました。大徳寺聚光院方丈(重要文化財)の創建年代については従来、狩野松栄・永徳親子による障壁画(国宝)の作期との関連で、永禄9年(1566)か天正11年(1583)かという議論がなされてきました。今回綿田は、めまぐるしく変化していた政情を考慮しつつ、断片的に残された史料を根拠に元亀2年(1571)という年次をあらたに提案しました。続いて渡邊氏より、塔頭障壁画全体の流れで考えると聚光院障壁画のプランはやはり古様な側に属しているという見解が示されました。その後、研究所外からの参加者も交えて活発な議論が行われました。

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