建造物などに使用する漆塗装の耐候性向上に向けた屋外の暴露実験

暴露実験用の漆塗装手板試料の点検作業
大樹町航空公園内に据え付けた漆塗装の暴露試験台(左側)

 保存修復科学センターでは、「伝統的修復材料および合成樹脂に関する調査研究」プロジェクト研究の一つとして、建造物などに使用する漆塗装の耐候性向上に向けた基礎実験を昨年度より継続しています。4月17日から4月18日にかけて、北海道大樹町内航空公園内の屋外暴露実験台に据え付けた朱漆と黒漆の各種手板試料の劣化状態の経過観察を行ないました。今回の現地調査は8ヶ月目の点検であり、漆塗装の種類による劣化状態の違いがしだいに明確になってきました。暴露実験台をこの地点に設置した理由は、北海道大樹町内は全国でも晴天率が高いこと、気象データの入手がし易いこと、さらには寒暖の年較差が高いこと、などが理由です。なお、この屋外暴露実験による紫外線劣化の経過観察は、第一期として本年8月までの一年間を予定しています。

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