敦煌莫高窟での壁画調査と研修生派遣

第285窟での共同調査
調査チーム(オレンジユニフォーム)と研修生(赤ユニフォーム)

 第5期「敦煌壁画の保護に関する共同研究」は3年目を迎え、6月1日から4週間の日程で敦煌莫高窟にメンバーを派遣して、今年度前半の日中合同調査を実施しました。調査は、昨年に引き続き、西魏時代の紀年銘(西暦538年、539年)を持つ第285窟について、これまで実施してきた光学的調査とともに壁画全体に対する状態調査を行いました。壁画に使われた材料は、色の種類や技法、描かれた位置など、様々な条件によって劣化の仕方、保存状態が異なります。この状態を把握することで、光学調査の結果はさらに多くの情報をもたらすことになりますし、そこから新たな調査や分析についてのアイディアも生まれるのです。また、特定の制作材料や技法によって劣化の仕方が異なるのであるとすれば、それは今後の保護修復作業にも重要な手がかりを与えるものとなります。
 いっぽう、この調査チームとともに2名の大学院修士課程修了者が莫高窟に行きました。彼らは、昨年度から実施している「敦煌派遣研修員」として、公募により選抜されました。保存科学、絵画制作とそれぞれに異なる専門領域からの参加で、10月中旬までの5ヶ月間、敦煌研究院保護研究所の専門家の指導を受けて、壁画保護のための多岐にわたる内容の研修を受けます。

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