第16回ICOMOS総会・国際シンポジウム(カナダ・ケベック)

ケベック旧市街地の修復が終了した地域の見学
ICOMOS総会

 文化遺産保護の国際的な動向についての研究・情報収集活動のひとつとして、9月27日から10月4日までカナダのケベック市において開催された第16回ICOMOS総会に参加しました。世界各地から有形文化遺産の保存に携わる各分野の専門家が集い、日本からは20名ほど(アジア太平洋地域からは2番目)の参加となりました。期間中は総会に加えて、”Finding the Spirit of the Place(場所の精神)”というテーマを掲げ、若手を対象とした国際フォーラム、国際学術委員会(ISC)会議、国際学術シンポジウム、現地視察などが開かれました。若手フォーラム(27-28日)は、今回はじめて行われた新しい試みで、若手研究者が活発な議論を繰り広げました。ISC会議(29日)では23もの専門テーマ会議が設けられましたが、私はその中から、日本がより活発に参加することが望まれている5つの会議に参加しました。9月30日には総会の開会が盛大に行われました。国際シンポジウム(11月1日―2日)ではテーマをめぐり4つのセッションが同時に進行され、ポスターセッションも加えて、世界各地の多様な取り組み事例が紹介されました。3日は7つのグループに分かれてケベックの旧市街地や周辺地域を視察しました。4日の総会と役員選挙の結果、日本人執行委員1名が当選し、また名誉会員1名が承認されました。
 この8日間は、活発な意見交換と貴重なネットワーク作りができ、たいへんに充実した機会となりました。

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