国際研修

開会式
実習風景(折れ伏)
実習風景(裏打ち)

 世界各国の文化財の保護と活用に携わっている80名近い応募者の中から10名を選抜し、9月8日から26日まで国際研修「紙の保存と修復」をICCROM(国際保存修復研究センター)と共同開催いたしました。
 この研修は、講義、実技、見学からなります。講義では、紙や日本の伝統的接着剤・膠着剤に関する材料学、文化財保護の理念、日本画の技法、装こう技術、表装形態などについて、それぞれの専門家から学びました。実技では、模擬文化財のクリーニング、虫損(虫食い穴)部への補紙(つくろい)、表装を行い、最終的には巻子として仕上げました。また、和とじ冊子の作製も行いました。見学では、まず、岐阜県美濃市を訪れ、長谷川和紙工房、美濃和紙の里会館(MINO-WASHI museum)、美濃史料館(Mino historical museum)において、美濃紙についてその伝統的な製造法から歴史的な流通までを学びました。また、国宝修理装こう師連盟の国立京都博物館文化財保存修理所内およびそれぞれの独自工房において、修復現場の見学を行いました。

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