エントランスロビー「X線透過撮影による解明した能管・龍笛の構造解明」

「X線透過撮影による能管・龍笛の構造解明」

 当研究所では、事業や研究成果を来所者の皆さんにご理解いただくために、エントランスロビーを利用して、定期的にパネル展示を行っていますが、3月末より、平成20年度に行った能楽の笛、能管のX線透過撮影調査を取り上げて成果を紹介しています。能管は、独特の鋭い音色を奏でる笛ですが、そのために歌口と第1指穴間の内径を狭める工夫をしています。従来、この部分に「喉」と呼ばれる別材を挿入して内径を狭める工法が知られていましたが、X線撮影を行った結果、「喉」を挿入せずに内径を狭めた古い能管をいくつか発見しました。これまで、龍笛の破損を修理する過程でホゾを挿入したことから能管が派生した、という説を提唱する研究者がいましたが、その説を修正する必要がでてきたことになります。今回は、古い能管の音も聞いていただけるよう準備を進めていますし、あわせて鎌倉時代の仏像胎内に収められていた龍笛のX線写真も展示しています。この展示により、日本の伝統音楽に関心を寄せていただければ幸いです。

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