東大寺法華堂安置仏像群の耐震に関する調査

法華堂安置仏像群の三次元計測

 東大寺法華堂には、国宝・乾漆不空羂索観音立像をはじめ多くの乾漆像や塑像が須弥壇上に安置されております。奈良盆地では高い確率で大地震が発生することが予測されており、法華堂安置仏像群について早急な耐震診断および対策立案が求められています。そこで保存修復科学センターでは、耐震診断に必要な情報を得るため、安置仏像群の三次元計測および法華堂建物および須弥壇の目視調査を実施しました。
 三次元計測では、前回の東大寺戒壇堂の国宝・塑造四天王立像でも使用した「ステレオカメラの移動撮影に基づいた簡易形状計測システム」(凸版印刷株式会社にて開発中)について、法華堂須弥壇内にて安全に計測できるようにケーブルレス化したものを用いました。その結果、調査期間内に6体躯の計測が終了しました。
 また、法華堂建物および須弥壇の目視調査は、木質構造の専門家を招へいのうえで実施しました。今後はその結果をもとに、須弥壇および建物の常時微動調査を進めていきたいと考えています。

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