アジャンター壁画の保存修復に関する調査研究事業~第2次ミッション報告

アジャンター石窟第2窟における高精細写真撮影
アジャンター石窟第2窟における高精細写真撮影

 東京文化財研究所とインド考古局は、文化庁委託「文化遺産国際協力拠点交流事業」の枠組みにおいて、アジャンター壁画の保存にむけた共同研究に取り組んでいます。アジャンター壁画は、玄武岩の亀裂を伝って洞窟内に浸入した雨水による害、コウモリの糞尿による害(白色化、黒色化)、人為的な要因による損傷に加え、過去の修復に用いられたシェラック(ワニス)の黄化による色調変化や彩色層の亀裂と浮き上がりといった問題を抱えています。
 平成21年9月に行った第2次ミッションでは、壁画の保存状態を詳細に記録するため、第2窟内部壁画全面を対象とした「高精細デジタル写真記録」、「色彩計測」を行いました。インド人専門家と共同で撮影・計測作業を行うことで、文化財保存におけるデジタルドキュメンテーションに関する知識の共有、技術交換を目指しています。

to page top