靉光「眼のある風景」光学調査

当研究所2階のおける画像展示風景

 東京国立近代美術館の協力を得て、1月18日に靉光(あい-みつ1907-1948)作の油彩画「眼のある風景」(1938年、102.0×193.5㎝)の光学調査をおこないました。この折には、フルカラー撮影と反射近赤外線撮影をおこないました。この2種類の画像は、現在、原寸大のパネルとして当研究所2階に展示しています。これにつづき、4月27日には、透過近赤外線撮影による調査を実施しました。作品が修復される折から、木枠を外した状態で、作品の裏面から光を透過させて、キャンバス面にもっとも近い、すなわち創作当初の画像を捉えることができました。この作品は、日本の近代美術のなかで、シュルレアリスム絵画受容における独自の表現が認められることから、高い評価を受けています。しかし、創作の過程やモチーフについては、いまだに議論がかさねられています。前回の反射近赤外線、今回の透過近赤外線撮影による画像をもとに、これから詳細に検討しなければなりません。しかし今回の画像をみるかぎり、少なくとも動物とも、植物ともつかない、不可思議なメタモルフォース(変態)をとげていくフォルムに、画家が抱いたイメージの深さとそのイメージをリアリティあるものとして視覚化しようとした模索の跡をみとめることができます。

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