フィルモン音帯の調査

フィルモン音帯

 フィルモン音帯とは、戦前の日本で開発された特殊なレコードです。形状は合成樹脂製のエンドレステープ(約13メートル)で、最長で36分間の録音が可能であったといわれています。無形文化遺産部は音帯5本を所蔵しています。音帯には専用の再生機が必要な上に、再生機の現存そのものが極めて少ないので、録音の内容確認すらこれまではかないませんでした。
 昨年度より、早稲田大学演劇博物館(演劇映像学連携研究拠点)と共同でフィルモン音帯の調査を行うことになりました。演劇博物館は再生機を動態保存しているので、音帯の再生音をデジタル化することも計画に含まれています。
 現在、無形文化遺産部と演劇博物館、それに個人蔵の音帯を加えると、延べで100本以上の現存を確認することができました。残念ながら、経年劣化が著しいために、再生が難しいものもも相当数ふくまれていますが、少しでも多くの音帯から再生音が得られるよう、現在、作業を進めているところです。

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