大エジプト博物館保存修復センター 人材育成研修の開催

様々な素材や形状の遺物梱包実習
重量物の移送実習

 文化遺産国際協力センターでは、国際協力機構(JICA)が行う大エジプト博物館保存修復センターの設立と稼働に向けた技術支援プロジェクトへの協力を続けています。
 その一環として、7月3日から19日の日程で、JICAが日本通運社員から4名の講師を現地へ派遣して「移送梱包研修」を保存修復センター内で開催しました。昨年10月にエジプト人保存修復専門家7名を日本に招聘し、東文研内で1週間の研修を行いましたので、今回の研修は2回目となります。
 できる限り現地調達可能な資材や教材を用い、保存修復センター内に設置された機材に加え、日本から輸送した最新の機材を使用して実習を行いました。また、研修で梱包する対象物は、小さな物から200kg前後の重量物までを扱い、レプリカだけでなく本物の遺物も使用しました。研修内容としては、外部収蔵庫や博物館から保存修復センターへ移送するための厳重な梱包、移送のためのトラックへの積み下ろし、センター内のラボ間で移動するための簡易梱包と移動の練習も行いました。前回同様、技術移転だけでなく、遺物を愛しむ心を持って仕事にあたる日本の精神を伝えることにも意を払いました。今回の研修で技術と心を学び、実際の移送梱包作業でも丁寧かつ迅速な作業が行われることを望みます。
 今後も、センターの本格的稼働に向けて、多様な専門家各個人のレベルにあわせた効果的な人材育成への協力を進めていきます。

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