第24回国際文化財保存修復研究会の開催

総合討議風景

 2010年7月8日に、71名の参加を得て、第24回国際文化財保存修復研究会「覆屋保存を考える」を開催しました。遺跡の保存を目的として覆屋がかけられることがありますが、そのメリット・デメリットを理解するためには、建設から既にある程度の年数が経過した覆屋について、その後の状況を知る必要があります。こうした理由から、タイ芸術局のアナト・バムルンウォンサ氏による「プラーチンブリー県の二つ一組の仏足跡の覆屋:その問題と解決への指針」、福岡県文化財保護課の入佐友一郎氏による「福岡県における覆屋の諸形態と現状」、韓国国立文化財研究所のシン・ウンジョン氏による「韓国の石造文化財における覆屋の現状と事例研究」という3件の発表をお願いし、その後、総合討議が行われました。遺跡を保存するためには、遺跡の周辺環境まで含めた条件を理解した上で、覆屋の仕様を適切に考えていく必要があるのはもちろん、覆屋建設後も継続してモニタリングを行うことが重要であることが認識されました。

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