被災文化遺産復旧に係る支援国調査

ワールド・モニュメント・ファンド(米国)でのインタビュー
オランダ文化庁でのインタビュー
ブルーシールドフランス国内委員会でのインタビュー

 近年、自然災害で被災した文化遺産に関する協力要請や緊急支援が増加しており、被災文化遺産復旧に向けた国際協力の効果的実施がますます重要になってきています。このため、文化遺産国際協力コンソーシアムでは目下、緊急対応のあり方や関係諸機関の連携体制などについて、支援国を対象とした調査を行っています。これまでに、米国(8月17日~26日)およびオランダ・フランス(9月26日~10月8日)において、文化遺産国際協力に携わる行政組織、民間団体、国際機関を中心に計27機関へのインタビューを行いました。
 米国では、ハイチ地震の際に、以前から国内で機能してきた被災文化遺産への人材派遣制度や情報連携ネットワークを活用して柔軟に対応したこと等が明らかになりました。また、オランダでは、各機関の役割分担が明確で、支援の内容は被災直後の小規模資金援助に特化していること等がわかりました。一方、フランスでは、外務省を中心とした従来の国際協力体制網をさらに強化するため、NGOの協力のもと、緊急支援専門家(urgentiste)の養成にも力を入れていること等が分かりました。
 次々に起こる災害に対する対応力の向上などはわが国にも共通する課題で、一連の調査を通じて、今後の日本の国際協力体制を考える上で有益な情報を得ることができました。

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