2010度第7回企画情報部研究会開催

2010年12月17日に、今年度第7回目の企画情報部研究会を行いました。発表者と題目は以下の通りです。
 ・皿井舞(企画情報部研究員)
  「平安初期神仏習合彫刻史試論
   京都・神光院薬師如来立像をめぐって」
 ・佐々木守俊氏(町田市立国際版画美術館学芸員)
  「“北宋風作善”の受容と印仏・摺仏の像内納入」
 皿井は、10月初旬に京都・神光院でおこなった調査をふまえ、これまであまり知られてこなかった、本院の薬師如来立像について紹介をしました。またあわせて、本像が、平安時代初期の神仏習合を考えるうえでも、重要な作例である可能性を指摘しました。本像の紹介は、当研究所が刊行している『美術研究』誌上でおこなう予定です。
 佐々木氏は、平安時代後期よりさかんになる、仏像の像内に版画(印仏・摺仏)を納入する信仰について、中国・北宋時代の信仰の受容という観点から、読み解かれました。すなわち、印仏・摺仏の像内納入が北宋期の『地蔵菩薩応験記』所収の説話にもとづいたものであること、またそれが「奇瑞を期待する営為」という意味であったことなど、貴重な指摘がなされました。大陸文物の受容のあり方を考える上でも、重要な報告をしていただきました。
 本研究会では、水野敬三郎先生(東京芸術大学名誉教授)や浅井和春先生(青山大学教授)をはじめ、彫刻史を専門とする先生方にもお越しいただき、活発な討議をおこないました。
 討議で出された意見は、今後、研究をすすめていく上での重要な論点ばかりでした。こうした問題意識の共有化は、研究を活性化させる原動力となります。本研究会が、原動力を生み出す場として機能し続けるよう、今後も研究会開催のあり方を模索していきたいと思います。

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