文化財施設の環境解析と博物館の省エネ化に関する研究会の開催

ドレスデン工科大学のグルネワルド教授の講演

 2011年2月25日に、東京文化財研究所セミナー室で「文化財施設の環境解析と博物館の省エネ化」に関する研究会を開催しました。現在、地球温暖化の問題から、あらゆる施設で温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みが必要になってきています。博物館、美術館等の施設に関してもこの例外ではありません。博物館、美術館等の施設では、文化財を安全に後世へ伝えていくために、それを取り巻く環境を良好に保ちながら、施設の省エネ化を図っていくことが必要です。今回は、ドイツの建物の省エネ化に関するプロジェクトで環境解析を担当しているドレスデン工科大学のジョン・グルネワルド教授には、「ドイツにおける建物の省エネルギー化と環境解析技術」、同じくドレスデン工科大学のルドルフ・プラーゲ博士には、「環境解析に関わる建材の物性測定法」というテーマで講演頂きました。プラーゲ氏の講演では、ベルリンのウンター・デン・リンデン通りの大理石の石造彫刻の劣化と周囲環境の解析についての話題提供もありました。また、清水建設株式会社の菅野元衛、矢川明弘、太田昭彦さんには、「文化財施設内の環境解析のための気流シミュレーション技術と応用事例」というタイトルで、環境解析手法および根津美術館の収蔵庫の改修の際に行った解析事例の紹介を頂きました。参加者は、全部で50名であり、活発な意見交換が行われました。

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