日本美術技術博物館Manggha所蔵の日本絵画作品調査

日本美術技術博物館Manggha、クラコフ(ポーランド)
所蔵作品の調査風景

 日本の古美術品は欧米を中心に海外でも数多く所有されていますが、これらの保存修復の専門家は海外には少なく、適切な処置が行えないため公開に支障を来している作品も多くあります。そこで当研究所では作品の適切な保存・活用を目的として、在外日本古美術品保存修復協力事業を行っています。修復協力への要望が強く、その意義が認められると考えられた日本美術技術博物館Manggha所蔵の作品調査を行いました。
 同館は、クラクフ(ポーランド)に所在する東欧で有数の日本美術品を有する博物館で、アンジェイ・ワイダ監督らの発意による京都クラクフ基金や民間からの募金協力、日本・ポーランド両国政府の援助によって1994年に設立されました。同館のコレクションは美術品収集家のフェリクス・ヤシェンスキ(1861~1929)が収集した作品を中核とし、浮世絵をはじめとする日本絵画、陶磁器、漆芸品、染織品など多岐に渡っています。
 調査は2015年1月13日~23日及び2月3日~6日の2期に分けて行いました。1期目の調査で84点の絵画を調査し、美術史的な作品価値、修復の必要性と緊急性の観点から7点の作品を選出しました。2期目の調査では、その7点の作品について、修復に要する期間や適切な修復方法を検討するための詳細な調査を行いました。
 今後、調査した作品の修復計画を立案し、在外日本古美術品保存修復協力事業において修復を行う予定です。また、調査で得られた情報を同館の学芸員、保存修復担当者と共有し、作品の保存・展示に役立てていただきたいと考えています。

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