イランにおける文化遺産の保護に関する現地調査

ICHHTOとの文化遺産保護に関する意見交換
17年間にも渡ってタイルの張り替えが続けられているイスファハーンのイマームモスク

 文化遺産国際協力センターでは、1月7日から1月23日まで、イランにおける文化遺産保護の現況と、今後の国際協力の可能性を探るため、イラン国内の9か所の世界遺産を含む文化遺産の保護に関する現地調査を実施しました。
 イランは2015年現在、17件の世界文化遺産を持つ文化大国です。ペルセポリスやイスファハーンのイマーム広場などの文化遺産の視察においては、ICHHTO(イラン文化遺産・工芸・観光庁)の協力の下、現場の保存・修復活動の経緯、現在の文化遺産保護に関する問題、現場でのニーズ等について遺跡管理者から直接話を伺う事ができました。
 テヘランではICHHTOの副長官であるM.タレビアン氏と面談し、当研究所における事業の紹介、イラン各地の文化財視察を通じて見えてきた今後の文化遺産保護の在り方について意見交換を行いました。併せて、イランを代表する研究機関であるRICHT(イラン文化遺産・観光研究所)の訪問を行い、その研究所の視察と意見交換を行いました。
 日本はこれまでユネスコ日本信託基金を通じて、イランの代表的文化遺産であるチョガ・ザンビール遺跡や2003年の地震で崩壊したアルゲ・バム遺跡の修復に対して支援を行ってきました。このように既に日本との文化的な交流があったイランは、今後日本との一層の協力関係をつくり、広く共同研究や保存修復を行いたいとの希望が寄せられました。

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