イギリス・セインズベリー日本藝術研究所との「日本芸術研究の基盤形成事業」推進のための協議開催

Cathedral Hostryでの講演の様子

 セインズベリー日本藝術研究所(Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures; SISJAC)は、ロンドンより北に車で約2時間、ノーフォーク県のノリッジ(Norwich)という小さな町に所在しています。セインズベリー夫妻によって1999年に設立されたSISJACは、日本芸術文化研究の拠点の一つとして、日本美術史や日本考古学の関係者にはよく知られた存在です。
 セインズベリー日本藝術研究所と東京文化財研究所(東文研)は、2013年7月より「日本芸術研究の基盤形成事業」を立ち上げ、主に欧米の日本美術の展覧会や日本美術に関する書籍・文献の英語情報を収集しています。これまで東文研は、日本美術にかかわる情報を収載した「文化財関係文献データベース」を公開してまいりましたが、これらの情報は日本国内に限定されたものでした。今後は、SISJACの収集した情報を東文研のデータベースに集約し、日本国外における日本美術関連情報も、東文研のデータベース上で検索が行えるようなシステムの構築を目指しております。
 本事業推進のため、2014年10月9日(木)より10月20日(月)までの約10日間、企画情報部の皿井舞がSISJACに滞在し、SISJACスタッフとともに、すでに収集した情報の確認作業や公開に向けての作業内容の手順確認等を行いました。
 また滞在期間中の16日(木)には、SISJACが毎月第3木曜日に行っている講演会Third Thursday Lectureにて、”Buddhist Wooden Sculptures in the Early Heian Period : From a Standpoint of Syncretisation of Shinto with Buddhism”と題した講演を行いました。SISJACに隣接した大聖堂内の講堂において、80人近くものノリッジ市民が日本の平安時代の木彫仏に関する講演に耳を傾けてくれました。講演後にも多くの質問が投げかけられ、日本美術に対する関心の高さを実感しました。

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