イラン•イスラム共和国の文化財建造物の専門家招致

イラン文化財に関する研究会の開催
兵庫耐震工学研究センター視察

 文部科学省「新世紀国際教育交流プロジェクト」の一環として、イラン・イスラム共和国(以下、イラン)のイスファハーン大学准教授であり、2003年に起きた地震で多大な被害を受けたバム遺跡の修復に深く携わっているメフルダード・ヘジャーズィー氏を8月26日から9月5日までの日程で日本へ招聘しました。招聘にあわせてイランを対象とする国内研究者に、考古学、言語学など多様な分野から集まっていただき、イランの文化財建造物に関する研究会を開催しました。この研究会ではヘジャーズィー氏にイランの文化財における保存修復の課題と展望について発表して頂き、参加研究者を交えてイランの文化財について多くの議論を交わす事が出来ました。
 わが国は地震や津波など多くの天災がありますが、脆い日干し煉瓦で出来た文化財のあるイランでも、地震は文化財へ深刻な被害を与えています。招聘期間中、ヘジャーズィー氏には日本の文化財建造物の保存修復の考え方や事業への理解を深めてもらうとともに、兵庫耐震工学研究センターにある世界最大の耐震実験施設の視察や、東日本大震災によって被災した宮城県大崎市にある旧有備館や気仙沼市内湾地区の文化財の視察を通じて、イランと日本における文化財の修復手法や防災対策についても深い議論を交わす事が出来ました。
 本招聘事業は、今後のイランと日本間の一層の文化交流を推進するための手がかり となる、実りの多いものとなりました。

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