京都文化博物館での黒田清輝展開催

《智・感・情》の光学調査に基づく画像の展示と、植田彩芳子氏(京都文化博物館学芸員)によるギャラリートークの様子
《昔語り》の原寸大画像

 1930(昭和5)年、洋画家黒田清輝の遺産を基に発足した当研究所は、その功績を顕彰するため黒田記念室を設けて代表作《湖畔》や《智・感・情》をはじめとする作品を展示し、また昭和52年より毎年一回、国内各地の美術館で「近代日本洋画の巨匠 黒田清輝展」を開催してきました。2007(平成19)年に作品が東京国立博物館へ移管となった後も同館との共催で各地での巡回展を続けてきましたが、黒田の没後90年となる今年は、《舞妓》や《昔語り》等、たびたび黒田作品の舞台となった京都での開催となり、京都文化博物館を会場に6月7日から7月21日まで行ないました。
 今回の展観では《湖畔》や《智・感・情》といった黒田の作品に加え、当研究所での光学調査による画像もインスタレーション風に展示されました。また当研究所に残っていたガラス乾板をもとに、戦災で失われた大作《昔語り》の原寸大画像(189×307㎝)を展示、その大きさをあらためて実感する機会となりました。開催初日の6月7日には特別講演会「黒田清輝と日本の近代美術」で塩谷が講師をつとめ、6月21日には京都文化博物館学芸員の植田彩芳子氏が「黒田清輝は京都で何を見たか」と題して、最新の研究成果をふまえたレクチャーを行ないました。黒田の留学先にちなんで6月20日には京都市立芸術大学音楽学部生によるフランス音楽のコンサートも開かれるなど、より多くの方が楽しめるイベントもあり、展覧会は好評のうちに終了、例年の巡回展をはるかに上回る4万余の方々にご来場いただきました。
 なお、これらの黒田作品を常時公開する黒田記念館が平成27年1月2日からリニューアル・オープンするのに伴い、このたびの京都展をもって、毎年催してきた巡回展は終了となります。《湖畔》や《智・感・情》にくわえ、《読書》や《舞妓》といった黒田の代表作を一堂に展示し、また従来よりも開館日数を増やしますので、より多くの方々に上野でご鑑賞いただきますよう、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

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