宮城県女川町の復活獅子振り調査

復活!獅子振り披露会に集まった女川の獅子

 宮城県女川町では、獅子舞を「獅子振り」と呼びます。女川町にはリアス式海岸の入り組んだ浦に点在する集落のほとんどに、その獅子振りが伝承されています。しかしその多くが東日本大震災によって壊滅的な被害を受け、道具類が数多く流失しました。それでも再開を望む声は高く、幸いにもいくつかの支援を受けて道具類の再建が叶いました。
 そうして昨夏、復活した獅子振りが一同に会して「復活!獅子振り披露会」が催されました。獅子は本来正月の行事ですが、震災前には7月末に「女川みなと祭り」の中で海上獅子舞がおこなわれていました。集落ごとの獅子が漁船に分乗して海上パレードをするこの行事は、歴史的には新しいものですが既に女川の人々の中に深く根付いています。本年は未だ港湾施設の復興が叶わず、小学校の校庭での披露会となりましたが、集まった大勢の女川町民は、いくつもの獅子が乱舞する様子に、盛んに声援を送っていました。無形文化遺産部では、震災後の女川の獅子振りを継続調査していますが、今年度は獅子振りを中心とした民俗誌の作成に取りかかっています。

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