ミャンマーの文化遺産保護に関する現地調査

パゴタ No.1205
気象観測装置の設置

 東京文化財研究所が文化庁から受託している「文化遺産保護国際協力拠点交流事業」の一環として、10月23日から11月1日にかけて、ミャンマー連邦共和国にてミャンマーの文化遺産保護に関する調査を行いました。今回のミッションでは、ミャンマーの美術工芸品のうち、寺院の壁画と漆製品に関する調査を行い、ミャンマー文化省考古・国立博物館図書館局の担当職員や、大学職員の方々に同行・対応をいただきました。
 バガンで行った寺院の壁画の調査では、日本とミャンマーとで調査修復を行う予定である仏教遺跡パゴダ、No.1205で堂内の壁画の撮影や損傷状態の調査を行いました。また、壁画の劣化に影響を及ぼす気象条件を知るための環境モニタリングとして、パゴダNo.1205の堂内外に温度湿度データロガーを、ミャンマー文化省考古・国立博物館図書館局バガン支局敷地内に気象観測装置を設置しました。今後、同支局員らと協力しながらデータの回収と解析を行い壁画の修復方針を検討してゆく予定です。
 マンダレーで行った漆製品に関する調査では、現在ミャンマーで製作されている漆製品の技法や材料についての見学や聞き取りを行うために、カマワザ、ガラスモザイク、乾漆や鉄鉢などの工房を訪問しました。また、バガンでは竹工芸材料の原材料調査と漆芸技術大学の付属博物館に収蔵されている古い漆製品の悉皆調査を行いました。今後も同様の調査を継続してゆく予定です。

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