バーミヤーン遺跡保存事業-第11次ミッション-

フォラディ谷で新たに発見された石窟

 文化遺産国際協力センターは、2003年よりアフガニスタン情報文化省及び奈良文化財研究所等と共同でバーミヤーン遺跡保存事業を行っています。アフガニスタン現地の治安情勢を鑑み、2010年に実施した第10次ミッション以来現地調査を中断せざるを得ない状態が続いていましたが、9月28日から10月6日にかけて約3年振りとなる第11次ミッションを派遣しました。
 3年間の空白を埋めるべく実施された今回の予備的調査では、まずバーミヤーン谷やフォラディ谷での仏教壁画や石窟の保存状態を確認しました。併せて、気象観測データや石窟内の温湿度等の環境計測データの回収も行いました。これらの基礎情報に基づいて、来年度以降のミッションでの保存修復活動をより具体的に計画・立案する予定です。また、過去3年間進んだ開発に伴う考古遺跡の遺存状態を確認するために考古遺跡の踏査も行いました。特にフォラディ谷の踏査ではこれまでの調査で記載されていなかった新たな石窟寺院が発見されました。この石窟はフォラディ谷では最古級の6世紀後半に年代づけられる可能性があります。そのほか、武庫川女子大学の協力を得て進められている新博物館構想に向け、博物館建設予定地の景観に関する基礎情報も収集しています。現地バーミヤーン大学の学生を対象としたバーミヤーン遺跡の歴史や文化、これまでの保存活動に関するレクチャーも実施し、多くの参加者が集まりました。アフガニスタン現地で文化遺産保護を担う新たな世代の登場が大いに期待されます。

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