企画情報部研究会の開催

「大礼服の黒田清輝」(撮影:小川一真、1914年7月、東京文化財研究所蔵[金子光雄氏寄贈])

 企画情報部では、平成25年度の第1回研究会が4月30日に開催しました。研究発表では、「華族たちの写真同人誌『華影』と黒田清輝宛小川一真書簡」と題して、斎藤洋一氏(松戸市戸定歴史館)と岡塚章子氏(東京都江戸東京博物館)を迎え、これに田中淳が加わり順次発表しました。
  はじめに、斎藤氏より、徳川慶喜、昭武をはじめとする旧大名たち、すなわち明治の華族たちによる写真同人誌『華影(はなのかげ)』(明治36年から41年頃に刊行)について、これまでの調査にもとづく研究成果が発表されました。とくに斎藤氏の調査によれば、『華影』は年に4冊刊行されていたと推察され、中でも明治40年3月から翌年3月の間に刊行された5誌において、投稿された写真に対する黒田清輝、ならびに写真家小川一真(1860-1929)による「印画評」(評価)が掲載されていたことは注目されます。この「印画評」をもとに、田中より、黒田の画家として、また写真家としての小川の評価、ならびに黒田の「写真」観について報告しました。つぎに当研究所が保管する黒田清輝宛書簡のなかから小川一真の書簡(7件)をもとに、小川について研究をすすめている岡塚氏より、黒田と小川の関係について、また華族と小川との関係をもとに明治の写真界についての発表がありました。この研究成果は、『美術研究』第411号(平成25年11月刊行予定)、ならびに次号において公表する予定です。

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