ギメ東洋美術館での調査

ギメ東洋美術館での調査

 当研究所は2010年にフランスのギメ美術館と研究協力及び交流に関する覚書を交わし、講演会の開催や修復事業などの共同プロジェクトを実施しています。ギメ東洋美術館はリヨンの実業家エミール・ギメ(1836~1918)のコレクションをもとに開設されました。現在、約11000点の日本美術作品が所蔵され、世界有数の東洋美術館として知られています。同館の日本美術コレクションの形成は世界的に古く、美術史的に重要な作品が数多く含まれていますが、中には経年により修理の必要性の高い作品もあります。これまでにもギメ美術館とは、在外日本古美術品修復協力事業として、平成9年(1997)から平成17年(2005)にかけて仏画や絵巻物など5件の絵画と、1件の漆工品の修理を行ってきました。古美術作品が安定した良好な状態で保管・展示されることは、海外における日本の文化と歴史を紹介するためにたいへん重要です。2012年5月25日には、同館の日本美術担当学芸員のエレーヌ・バイユウ氏のご協力のもと、文化遺産国際協力センター長・川野邊渉、同主任研究員・加藤雅人、江村知子の3名で、修復と美術史の観点から10数点の絵画作品の調査を行いました。今後さらに具体的な修理のための調査と、協議を重ねながら、研究協力と交流を推進していきます。

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