拠点交流事業モンゴル:アマルバヤスガラント寺院の保存・管理のためのワークショップ

ワークショップ参加者
ウランバートル・政府宮殿

 モンゴルにおける文化庁委託・拠点交流事業の一環として、2012年1月21日~27日の日程で東京文化財研究所から4名の専門家を派遣しました。
 1月24日、25日には、東京文化財研究所、名古屋大学法政国際教育協力研究センター、モンゴル国の教育・文化・科学省の共催により、アマルバヤスガラント寺院の保存管理計画の策定に向けたワークショップを開催しました。ワークショップでは、文化遺産の保護のみならず、モンゴル国の土地法および行政裁判制度を考慮した議論を行い、これを踏まえてモンゴル教育・文化・科学省と寺院が所在するセレンゲ県庁に対する提言書をまとめました。提言書では、アマルバヤスガラント寺院の世界遺産登録と保存管理計画の策定のためのワーキング・グループを設立すること、現在の保護区域の規制に関する課題点を明確にすること、地域住民の理解を得るよう努めること等が明記されました。今後も関係各機関との連携を密にし、提言内容の実現に向けて、協力していくことが望まれます。
  また、1月26日には、東京文化財研究所、名古屋大学法政国際教育協力研究センター、モンゴル国警察庁の間で、文化財の不法な輸出入に関する意見交換を行いました。モンゴル国警察庁からは、この問題に関する国内の施策や体制、犯罪事例等が説明されました。東京文化財研究所からは、同国ヘンティ県所在のセルベン・ハールガ遺跡およびアラシャーン・ハダ遺跡における文化財の盗掘や落書きの事例について情報提供をしました。

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