美術界雑俎

  • 中央新聞
  • 1905(明治38)/09/23
  • 3
  • 雑報

△白馬会展覧会 同会十周年紀念展覧会は愈々本日より上野公園五号館南部に於て開催する事となりしが新作品の重なるものは黒田清輝氏の風景人物の小品数点 を始め和田英作氏の「衣通媛」岡田三郎助氏の「遠林の幻影」小林萬吾氏の「静御前」三宅克巳氏の水彩風景、湯浅一郎氏の「巫女」中沢弘光氏の雪景、山本森 之助氏の風景、和田三造氏の牧場の大幅、丹羽林平氏の「機織女」小林千古氏の装飾画、赤松麟作氏の「耕作」等にして参考品中にはコラン氏筆肖像(婦人)故 ピユヴヰス、ド、シヤバンヌ氏の素画(婦人)なりと又本年は十周年紀念の為め会員の旧作を別室に陳列して縦覧に供する由なるが其点数頗る多く黒田清輝氏の 如きは七十余点に達し、近来久しく筆を執らざる久米桂一郎氏の作品も珍しく出品されたりと云ふ

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