本データベースでは中央公論美術出版より刊行された『黒田清輝日記』全四巻の内容を掲載しています。なお、デジタル化にともない、正字・異体字・略字や合成文字は常用漢字ないし現行の字体に改めました。



1897(明治30) 年2月12日

 二月十二日 金 朝学校ニ出 授業を済まし校長ニ逢つて岡田から来た手紙等を見せ精養軒で一人でめし それから内へ帰つて居ると春山が来 色々な困難話の結果ハオレの油汗をしぼつて其困難を半分する事となつた 佐野がシユミネの上に飾る画のカードルの図を引て持て来て呉れた アトリエニ這入つて夕方まで勉強 佐野と一緒ニ鶏の汁でめし 其最中ニ杉が来 道鏡話で十時まで笑ふ 三人一緒ニ出 佐野と菊地の角で別れ杉と二人で永田町の方から帰る

to page top