島多訥郎

没年月日:1983/11/20
分野:, (日)

 日本美術院同人、元多摩美術大学教授の日本画家島多訥郎は、11月20日肺炎のため栃木県下都賀郡の自宅で死去した。享年85。本姓島田。明治32(1899)年6月24日栃木県鹿沼市に生まれ、はじめ文学を志望して早稲田大学文学部へ進むが大正8年中退し、郷倉千靭に師事して日本画を学ぶ。同13年日本美術院展第11回展に「杉」が初入選、昭和5年第17回展にも再入選し、同8年日本美術院院友となる。戦前は樹々を専らテーマとした。戦後も院展への出品を続け、同25年35回展に「鶏」、36回展に「残雪と山羊」、37回展に「河原」で連続奨励賞を受け、同28年第38回展に「月雪の山」で佳作、引き続き39回展に「爐火」、40回展に「石と魚」で奨励賞を受けた後、同32年第42回展では「森と兎」を出品し日本美術院賞、大観賞を受賞、同年日本美術院同人に推挙された。さらに、同44年院展第54回展で「海と溶け合う太陽」で文部大臣賞を受賞する。また、翌年の第55回展出品から島田を島多と変えた。明るい色彩と抽象的形体による作風は、院展内では異色なものであった。

出 典:『日本美術年鑑』昭和59年版(320頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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