山口進

没年月日:1983/11/25
分野:, (版)

 日本版画協会名誉会員で木版画界の長老であった山口進は、11月25日午前2時25分、急性肺炎のため、長野県伊那市の天竜河畔病院で死去した。享年86。明治30(1897)年1月25日、長野県上伊那郡に生まれ、大正5年長野中学を卒業。同9年より15年まで白馬会葵橋洋画研究所に学び、黒田清輝、中川紀元らに師事。日本美術学校にも通うが中退している。同12年日本創作版画展、日本漫画展に初入選。油絵を手がけ、帝展、光風会展、太平洋画会展にも出品する。同14年旧制第一高等学校訓務部事務職員となり、一高画会で絵を教える。昭和2年ロスアンゼルス国際版画展に出品。翌3年には「鯉幡作り」他の油絵で第6回春陽会展に初入選し、同12年まで同会に油絵の出品を続ける。同4年日本創作版画協会々員となり、同6年同会が日本版画協会となるにおよんで同会員となる。同8年『山口進版画集』を出版。同16年仏印巡回日本絵画展、同18年海軍省献納版画展に出品する。同20年、第一高等学校を退職して郷里の伊那谷に帰り、制作に専念する。信州の山岳を題材とした木版画で知られ、彫りぼかしと刷りぼかしを併用して、力強い構成力と柔らかさを合わせ持つ独自の作風を築いた。代表作には「木曾駒ケ岳馬の背」(1970年)などがあり、作品の多くは、町田市立博物館に収蔵されている。

出 典:『日本美術年鑑』昭和59年版(321頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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