高橋信一

没年月日:1986/12/16
分野:, (版)

 佐渡版画村理事長として版画の制作、指導に尽力した版画家高橋信一は、12月16日午前5時15分、気管支ぜんそくによる気道閉そくのため、新潟県両津市の自宅で死去した。享年69。大正6(1917)年7月25日佐渡に生まれる。小学校在学中、図画教師中田吉三に学んで油絵を描き始め、のち、平塚運一の弟子笹井敏雄、斎藤正路に版画を学ぶ。昭和32(1957)年現代版画コンクール佳作賞受賞、34年日本版画協会展賞受賞。35年には日本版画協会展賞および恩地賞を受けて同会会友に推される。38年3ケ月間滞欧して13ケ国を巡遊。39年日本版画協会会員となる。41年フランス、イタリア政府の招きで国立美術大学教育者の講師として東洋絵画、版画の実技の指導に当たる。44年国画会版画部会員となる。クラコウ国際版画ビエンナーレなど国際展への出品も多く、51年スイス・ザイロン国際版画展では受賞している。常に郷里佐渡にあって制作するとともに、昭和23年より51年停年退職するまで、両津高校で教鞭をとり、版画指導に尽力。48年より島民への版画指導も始め、全島に版画制作の輪を広げ、佐渡版画村をおこして57年サントリー地域文化賞を受賞。59年7月には相川町に佐渡版画村美術館が設立された。仏教の二河白道に触発された「白い道」シリーズで知られ、トキをモティーフとして好んで描く。『佐渡名所百選』(51年、新潟日報事業社)、『高橋信一の世界』(58年、教育書籍)、『佐渡版画村作品集』(59年、教育書籍)、『捨てない教育』(59年、渓水社)などを刊行している。

出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(325頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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