オノサト・トシノブ

没年月日:1986/11/30
分野:, (洋)

 抽象画家オノサト・トシノブは11月30日、急性肺炎のため桐生市の自宅で死去した。享年74。本名小野里利信。明治45(1912)年6月8日長野県飯田市に生まれ、大正11年から群馬県桐生市に住む。昭和6年津田青楓洋画塾に入り、同10年第22回二科展に初入選する。同年、津田洋画塾出身の野原隆平、浅野恒、山本直武と4名で黒色洋画展を結成したが、翌年展覧会開催後退会し、同12年自由美術家協会の創立に参加した。同15年の制作「黒色の丸」は、当時試みられることの少なかった構成主義的内容をもつ作品として注目された。翌16年応召し、戦後は同23年迄シベリアに抑留された。帰国後、錯視的な空間をつくる独特な抽象画を展開、同28年タケミヤ画廊で初の個展を開催した。同29年の国立近代美術館主催「抽象と幻想」展、同31年の「世界・今日の美術」展などに出品。また、同31年には自由美術家協会を退会し、以後個展を中心に制作発表を行った。同38年、第7回日本国際美術展に「相似」で最優秀賞を受賞する。同39年にはグッゲンハイム賞国際美術展、第34回ヴェネツィア・ビエンナーレ展、翌40年にはニューヨーク近代美術館の「新しい日本の絵画・彫刻展」、チューリッヒ市立美術館の「現代の日本美術展」への出品をはじめ、海外展へ数多く出品し国際的評価を得た。同53年、文集『実在への飛翔』(叢文社)を刊行する。

出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(324頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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