植木茂

没年月日:1984/06/03
分野:, (彫)

 木による抽象彫刻の草分け的存在であり、その代表的作家として活躍した植木茂は、6月3日午前11時57分、前立せんガンのため大阪府吹田市の新千里病院で死去した。享年71。大正2年(1913)2月15日北海道札幌市に生まれる。札幌市立第一中学校を卒業。同郷出身の三岸好太郎に師事し、昭和7(1932)年第2回独立展に油絵「風景2」で初入選。以後、同10年自由美術家協会展の創立に参加するまで同展に出品を続ける。自由美術展には同24年第13回展まで出品。この間に彫刻に本格的に取り組むようになる。同25年モダンアート協会の創立に参加し会員となるが、同29年退会。以後無所属。戦中に合成樹脂を素材とした彫刻を試みるなど先駆的な活動を行ない、戦後は木による抽象彫刻、「作品」「トルソ」のシリーズを制作し、晩年は板、竹ひご、和紙などによるモービルや平面的アッサンブラージュを手がけた。木地と木目を生かし、穏やかなのみ跡を残し、有機的で柔らかいフォルムを持つ独自の作風を築いた。サンパウロ・ビエンナーレ(昭和30年)、ベネツィア・ビエンナーレ(同31年)など国際展にも出品、同45年日本での大阪万博の際はサントリー館のデザインを担当。「現代彫刻の5人展」(同51年、兵庫県立近代美術館)、「近代日本美術の歩み展」(同54年、東京都美術館)、「現代の彫刻展」(同59年、山口県立美術館)など多くの彫刻展に出品している。また、九州産業大学教授として教鞭をとった。

出 典:『日本美術年鑑』昭和60年版(250頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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