田村耕一

没年月日:1987/01/03
分野:, (工,陶)

 東京芸術大学名誉教授、国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の陶芸家田村耕一は、1月3日胆のうがんのため栃木県の栃木県南総合病院で死去した。享年68。陶器に鉄絵で文様を描く分野からは初の人間国宝に認定された田村は、大正7年6月21日栃木県佐野市で生まれた。昭和16年東京美術学校工芸科図案部を卒業し、大阪府下で楽焼を学ぶが翌年応召する。戦後の同20年京都市の松風工業株式会社松風研究所に入所して陶磁器の本格的研究を開始し、富本憲吉に師事した。同23年栃木県佐野市へ帰り、赤見窯の築窯に加わる。翌年新匠工芸会展に出品、同25年には浜田庄司の勧めで栃木県窯業指導所技官となり、ココ工芸の結成に参加、のち生活工芸集団結成に加わった。同31年と33年に現代日本陶芸展で朝日賞を受賞、同32年には日本陶磁協会賞を、さらに同35年と翌年には日本伝統工芸展で奨励賞を連続受賞し、同37年日本工芸会正会員となった。この間、陶器に酸化鉄を付けて文様表現する鉄絵の技法を開発し、銅彩で色彩を加えた創造性に富む作風を展開した。また、同42年トルコ・イスタンブール国際展で金賞を受賞するなど国際的な評価も得、同59年にはミュンヘンで個展を開催した。同42年東京芸術大学助教授、同51年教授に就任し母校での後進の指導にもあたり、同60年停年退官し同校名誉教授となった。同61年国指定重要無形文化財(鉄絵)保持者に認定される。日本工芸会副理事長、佐野市名誉市民でもあった。

出 典:『日本美術年鑑』昭和62・63年版(326頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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