後藤清吉郎

没年月日:1989/07/09
分野:, (工,紙)

静岡県無形文化財の和紙工芸家後藤清吉郎は7月9日午後6時24分、老衰のため静岡県富士宮市の自宅で死去した。享年91。明治31(1898)年5月4日、大分県大分市に生まれる。京都の関西美術院に学ぶ。生活に結びついた工芸に志し、衰退していた和紙工芸に注目。その源となる技法をアジア諸国に求め、昭和2(1927)年より3年間インド各地を巡遊するなどして研究する。同17年第17回国画会展に「ばななの花」で初入選、同年第5回新文展に「みなみの海二曲屏風」で初入選する。官展にはそののち、翌18年第6回新文展に「染色かものむれ二曲屏風」、21年第2回日展に「葛布和染わかたけ」を出品。国展には連年出品を続け同22年に会友推挙、25年に会員に推され、たびたび同展審査員をつとめた。型染、印伝金唐革などの技法を和紙工芸に応用し、画面全体にモチーフをちりばめる装飾的な作風の調度などを制作。同53年10月、静岡県無形文化財に指定された。著書に『紙譜帖』『和紙印伝』『日本の紙』『紙と漆』『紙の旅』『紙漉村』などがある。

出 典:『日本美術年鑑』平成2年版(247-248頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「後藤清吉郎」『日本美術年鑑』平成2年版(247-248頁)
例)「後藤清吉郎 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9837.html(閲覧日 2024-04-20)

外部サイトを探す
to page top