阪本勝

没年月日:1975/03/22
分野:, (評)

 兵庫県立美術館館長の阪本勝は、3月22日午後4時3分、食道ガンのため芦屋市の自宅で死去した。享年75歳。阪本勝は、明治32年(1899)10月15日、尼崎市に生まれ、明治45年(1912)大阪府立北野中学校(現・北野高等学校)に入学、のちに洋画家となった佐伯祐三と同級生であった。大正9年3月第二高等学校を卒業、東京帝国大学経済学部にすすみ、大正12年(1923)3月卒業。東大時代には新人会に加入した。大正12年4月~同13年3月まで福島県立福島中学校で英語教師をつとめ、大正13年4月大阪毎日新聞社に入社、学芸部記者となった。大正15年3月新聞社を退職し、昭和2年4月から8月には関西学院大学講師、そのころ麻生久、河上丈太郎らの日本労働党に参加し兵庫県議会議員に立候補した。また、処女作の戯曲『洛陽餓ゆ』(福永書店、昭和2年)を発表し、昭和3年から2年間、ヨーロッパに留学した。帰国後、戯曲『資本論』(日本評論社、昭和6年)を発表、また兵庫県議会議員から、昭和17年4月には衆議院議員となっている。その後尼崎市長(昭和26~29年)、兵庫県知事(昭和29~37年)を経て、昭和45年6月、兵庫県立近代美術館創立と同時に館長に就任した。戯曲、詩歌、書、絵画と多彩な活動をみせたが、美術関係の著作活動では、訳書『裸体芸術社会史』(ハウゼンシュタイン原著)、友人佐伯祐三の評伝『佐伯祐三』(日動出版、昭和45年)がある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和51年版(294頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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