高森捷三

没年月日:1977/03/21
分野:, (洋)

洋画家、元一水会会員高森捷三は、3月21日心不全のため死去した。享年69。明治41年2月22日石川県鳳至郡に生まれる。大正14年画家を志望して上京、林重義に師事、翌年第13回二科展に「風景」2点が初入選、同年から二科展とともに日本水彩画会にも出品を続けた。昭和3年1930年協会研究所へ入り、翌年には同展にも出品したが、同5年日本プロレタリア美術家同盟へ加盟し、同年の第三回展に大作「被告会議」他を出品したが撤回され、翌第4回展には、「東セルの兄弟しっかりやろう」、第5回展「労働者習作」を発表した。同7年日本共産党員となったが同年検挙され同9年出獄、翌10年から再出発して二科展に出品した。同12年からは一水会に出品したが、同5回展以後は展覧会出品を止めた。戦後、同21年同士と現実会を組織したが翌々年解散、同34年には友人と斑会を組織した。また同25年から8年ぶりに一水会にも出品をはじめ、同26年会員となり、同29年第16回一水会展出品作「船のおかみさんたち」で優賞を受けたが晩年は退会し無所属となった。同38年3月から11月まで渡欧、主にパリを中心に各国を巡遊し、翌年滞欧作による個展を開催した(文春画廊)。一水会の出品作には他に、「水の上」(第14回)、「火」(第17回)などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和53年版(259頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「高森捷三」『日本美術年鑑』昭和53年版(259頁)
例)「高森捷三 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9697.html(閲覧日 2024-04-23)
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