高畠陽雲

没年月日:1976/04/26
分野:, , , (彫,洋)

仏像彫刻家、洋画家高畠陽雲は、4月26日午前11時膀胱腫瘍のため大阪市の厚生年金病院で死去した。享年52。本名猪之吉。大正12(1923)年11月30日大阪市に生まれた。昭和20年8月6日の広島への原爆投下を体験し、仏像彫刻家の修行を始めたが、そのかたわら原爆投下の悲惨な光景を再現し後世に伝えようと油絵制作に取り組み、試行錯誤ののち同46年完成した「その瞬間」を広島市に、翌47年の「原爆炸裂」を長崎市に寄贈した。また、同50年には700号大の大作「原爆一号」を携えて渡米、国連ビルで展示するなど話題をよんだ。この間、数千枚にのぼる地獄絵を描き続けたほか、同45年原水爆物故者供養促進委員会を組織、同48年には福井市真宗三門徒派本山専照寺御影堂に被爆者の冥福を祈る「余間蓮華化生の図」を完成した。

出 典:『日本美術年鑑』昭和52年版(278頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「高畠陽雲」『日本美術年鑑』昭和52年版(278頁)
例)「高畠陽雲 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9573.html(閲覧日 2024-03-28)
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