今泉今右衛門

没年月日:1975/05/02
分野:, (工,陶)

陶芸家、重要無形文化財、色鍋島技術保存会長の今泉今右衛門は、5月2日午前8時40分、入院先の佐世保市の同仁会病院で急性じん不全のため死去した。享年77歳。明治30年9月25日佐賀県の十一代今右衛門の長男として生まれた。県立有田工業学校卒業。江戸時代からの伝統を誇る有田焼「色鍋島」の上絵付け技法を伝承し、昭和23年、約300年続く今泉今右衛門の十二代目を襲名した。同27年にはその伝承技法に対し文化財保護委員会より重要無形文化財の指定を受けた。同29年、第1回日本伝統工芸展に招待出品し、翌年の第2回同展では、それを主催する日本工芸会の正会員に推せんされた。同32年の第3回同展出品作「更紗文八角皿」が政府より印度ネール首相に贈呈された。翌33年には「更紗文八角大皿」が宮内庁買上げとなった。また同年に一水会陶芸部が新設され審査委員に推挙された。この年はブラッセル万国博覧会でも金賞を受賞した。同42年に紫綬褒章、46年に彼が会長の色鍋島技術保存会に対し重要無形文化財の総合指定を受けた。翌47年勲四等旭日章をうける。48年には技術を記録するため、文化庁より映画「色鍋島」が制作された。50年5月2日死去、内閣より従五位をうけ、有田町名誉町民の称号を受けた。

出 典:『日本美術年鑑』昭和51年版(297頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「今泉今右衛門」『日本美術年鑑』昭和51年版(297頁)
例)「今泉今右衛門 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9519.html(閲覧日 2024-04-25)

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