林悌三

没年月日:1978/07/05
分野:, (舞台美術)

 舞台美術家、脚本家、日本演劇協会理事林悌三は、7月5日脳硬ソクのため京都府宇治市のユニチカ中央病院で死去した。享年67。明治44年2月16日東京に生まれ、昭和10年京都市立絵画専門学校本科(日本画)を卒業、引き続き研究科に進み同13年修了した。山元春挙に師事し、同7年第13回帝展に「梅雨霽れ」が初入選、同9年には第15回帝展に「龍安寺拝観」、第21回院展に「松島高砂町」がそれぞれ入選し、同12年まで帝展に出品した。同13年より17年まで応召、同19年には陸軍報道班員としてビルマに従軍した。同21年帰還し画業を再開したが、翌22年から京都鴨川おどり等舞踊劇及び踊脚本、並びに舞台美術を手がけた。また同27年には大阪歌舞伎座「新平家物語」の舞台美術を担当し、依頼歌舞伎座、新橋演舞場、明治座、帝国劇場、日生劇場、新宿コマ及び大阪歌舞伎座、中座等で1,100余件の舞台美術を実施した。ことに緻密な作風と確かな時代考証に定評があり北条誠と組んだ舞台美術は高い評価を受けた。また、同28年の「吉野太夫」の脚色をはじめ、「傾成反魂香」、「名作切篭曙」、「玉藻譚」など20余の脚本又は脚色、あるいは演出をなした。手がけた主な舞台美術に、「古都憂愁」(42年)「建礼門院」(44年)、「浮舟」(45年)、「源氏物語」(46年)、「奥の細道」(50年)などがある。著書に『人形の顔』、『写景図の参考』。

出 典:『日本美術年鑑』昭和54年版(315-316頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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