今村竜一

没年月日:1971/03/09
分野:, (学)

大阪市立美術館長今村竜一は3月9日、大阪市立大学付属病院で骨肉腫のため死去した。享年62才。明治41年5月13日兵庫県姫路市に生れた。姫路中学、姫路高校を卒業した。ついで昭和7年東京大学文学部美術史学科卒業後は副手として大学に残り、10年7月、東方文化学院に転職した。15年そこを退職して大倉集古館に勤務し、23年米軍第八軍横浜アーミー・エデュケイション・センターに転勤し、ついで24年10月大阪市工芸高等学校教諭と市立美術館嘱託とを兼ね、翌25年市立美術館学芸員となる。35年市立博物館創設事務室主幹となり、開館後はそこに勤務した。39年7月市立美術館長に就任し、現職中に死去した。専門は中国美術史であった。主な論文は次の通りである。「本邦古建築に於ける運材に就いて」(宝雲4)、「古建築の視覚形式に対する作家の営為に就いて」(同10)、「室町時代寺院建築年表1~3」(史跡と美術、28~30)、「鶴林寺本堂覚書1、2」(明照2-1、2合併号2-3)、「魏晉南北朝に於ける画家の師弟関係に就いて」(国華561)、「唐代に於ける絵画の鑒賞に就いて」(東方学報・東京2-1)、「支那上代散★画書攷」(国華554)、「尚書故実に就いて」(同579)、「張彦遠の絵画史観、上、下」(図、601、603)、「黄休復の画評」(画題、47)、「様式史書としての<図画見聞誌>」(東方学報、東京9)。

出 典:『日本美術年鑑』昭和47年版(80頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

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例)「今村竜一」『日本美術年鑑』昭和47年版(80頁)
例)「今村竜一 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9484.html(閲覧日 2024-03-28)
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