勝平得之

没年月日:1971/01/04
分野:, (版)

 木版画家で、もと日本版画協会会員であった勝平得之(本名・徳治)は、1月4日、胃ガンのため秋田市立総合病院で死去した。享年66才。勝平得之は、明治37年(1904)4月6日、秋田市で代々紙漉と左官を職とする家に生まれた。少年時代は家業を手伝い、後年、その紙に版画を摺ることとなったが、大正10年(1921)に浮世絵版画をみて、版画にひかれ、独習して同年末に墨摺りの木版画をつくり、秋田魁新聞に投稿、発表した。しだいに独学で多色摺り木版技術を習得し、秋田十二景の連作に着手、昭和3年(1928)、第8回日本創作版画協会展に「外濠夜景」「八橋街道」二点が入選した。
 このころ木村五郎について木彫技術を学び、秋田風俗人形、秋田犬などを製作して生計をたてながら木版画をつくり、以後、卓上社版画展(昭和4~5)、日本版画協会展(昭和6年以後)、国画会展(昭和6~18)、光風会展(昭和9~31)、帝展・文展(昭和6年以後)にそれぞれ出品した。終始、郷土秋田の風物・風俗を題材として地方色豊かな作品をつくり、昭和26年秋田市第1回文化賞、昭和29年秋田魁新聞社文化賞、昭和37年河北文化賞をうけた。代表作に、つぎのようなものがある。「秋田十二景」(12枚、昭和3~13)、「千秋公園八景」(8枚、昭和8~12)、「秋田風俗十態」(10枚、昭和10~13)、「秋田風俗十題」(10枚、昭和14~18)、「花四題・春夏秋冬」(昭和13~14」、「農民風俗十二ケ月」(12枚、昭和24~26)、「米作四題」(昭和24~27)、「舞楽図八部作」(8枚、昭和18~24)、「祭四題」(昭和30~31)、「花売風俗十二題」(12枚、昭和35~34)、出版物に、「秋田風俗版画集」「秋田郷土玩具版画集」「雪橇」、「花の歳時記」「秋田歳時記」などがある。

出 典:『日本美術年鑑』昭和47年版(77頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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