橘瑞超

没年月日:1968/11/04
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浄土真宗本願寺派興善寺住職橘瑞超は、11月4日午後6時55分急性心臓衰弱のため、名古屋市中区西白山町の同寺で死去した。享年78歳。明治41年18歳で第2次大谷探検隊の隊員となり、トルファン、ローラン、ニヤ、コータン等の調査を行い、インドを経て英国に留学、43年帰国の途次第3次探険隊員として再度西域に入り、トルファン、ローラン、ミーラン、コータン等の調査を行った。その間タクラマカン砂漠の縦断を遂げ、アルチン山脈の登攀を試みるなど幾度も死線をさまよった末、辛苦をなめて敦煌に至っている。仏教東漸のルートを探る求道者の真摯な努力を物語るこの足跡は、我国が西欧諸国に伍して行った西域探険事業の成果として、同時に多くの貴重な収集品をも齎して、宗教、歴史、美術史の学界に大きく寄与した。昭和38年紫綬褒章、同41年勲三等瑞宝章をうけた。

出 典:『日本美術年鑑』昭和44年版(69頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月13日 (更新履歴)

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例)「橘瑞超」『日本美術年鑑』昭和44年版(69頁)
例)「橘瑞超 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9254.html(閲覧日 2024-03-28)

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